報復連鎖―警視庁公安部・青山望 レビュー・感想
元警視庁、公安、内閣情報調査室等に勤務した著者が放つ渾身の警察もの小説。
導入の展開から数多くの登場人物が携わり、怒涛の展開。
チャイニーズマフィア、ヤクザ、半グレ、警視庁、公安と場面もコロコロと変わるので、先が読めない面白さ。
2013年刊行だが、実在した有名な凶悪事件が名前を変えつつ登場していて、そこも魅力。
それにしても、著者の経歴からもわかるように、一般人が知らない警察用語や警察組織についての解説が非常に多いため、メインストーリーを追うよりもそちらの方が多い気がしてちょっと読みづらかった。
あまり、それぞれのキャラクター・性格にメインスポットが当たっておらず、誰がどの人だが深い入れ込みは出来ない。
基本、組織間の根回しと交渉をメインとしてストーリが展開する言い換えた方が良いかも?
警察・公安等の主人公側と、敵役である裏社会側の行動も絡み合って確かに面白いのだが、「えー、ここでおしまいか!」と言うくらいこの巻では内容が完結していない。
上・下とタイトルに書いていて欲しかった…。
非常に消化不良で読了。