ハードボイルド

二進法の犬

二進法の犬

二進法の犬 あらすじ

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の倫子。彼女の父は、武闘派乾組組長・乾十郎だった。鷲津は、乾組という組織、十郎の「白か黒か」を徹底する生き様、そして倫子の凛とした存在に、次第に自分の所在を見いだしていく。博打、抗争、性愛…激流のなか、鷲津が手にしたものは―!全てのひとが心に抱える深い闇を重厚に切なく描く傑作巨編。

二進法の犬 レビュー・感想

非常に分厚い本だったので、最初は躊躇するも、内容的には何とも強烈でページをめくる手が止まらない面白さ。
ストーリー通り、一般人で社会性がなく自分の理論を何とか実践しようともがいている家庭教師が、ひょんなことから生徒を受けつもつことになった美貌の女子高生、それは武闘派の博徒組織の一人娘だった…と言うもの。
この先生と生徒との恋愛とも性のはけ口ともともつかない身体のぶつかり合い、そしてページ数が多く割かれている博打のシーンでの緊張感、後半となる暴力の応酬など、非常に"重い"内容が目白押し。
タイトル通り0か1かのコンピューター世界の2進法のように、パッキリと現実世界も割り切って(ある意味犯罪組織なので社会性を無視して)生きていくシンプルさ、逆にいえば他人や他の世界を削り取っていく荒々しさが清々しい。
文体的には淡々と進んでいくなか、"普通の人"と異なる非日常の世界の描写にくらくらとしてくる。久々にむさぼるように夢中で読めた書籍で大満足。