暗くて静かでロックな娘 レビュー・感想
個人的に大好きな著者の短編集。猥雑で口悪いキャラが織り成すギトギトのドロドロな短編集。言葉選びが独特で日本のはずなのに無国籍情緒溢れる。救いようがない胸糞悪い話も多いけど、強烈にパンチが効いた作品を作れるこの著者はやっぱり凄いわ。
目と耳が不自由な美女と、何の取り柄もない男の純愛を描く表題作。ただの筋肉バカとなってしまった元アメフト選手の兄を持てあます弟の苦悩(「兄弟船」)。過去に人身事故を起こして人生を狂わせた男がたどる不幸の連鎖(「悪口漫才」)。罵倒しあう老夫婦が経営する名物ラーメン店が陥る絶望と希望(「反吐が出るよなお前だけれど…」)他、底辺を這う人々の、救いのない日常を映し出す全10編を収録。
個人的に大好きな著者の短編集。猥雑で口悪いキャラが織り成すギトギトのドロドロな短編集。言葉選びが独特で日本のはずなのに無国籍情緒溢れる。救いようがない胸糞悪い話も多いけど、強烈にパンチが効いた作品を作れるこの著者はやっぱり凄いわ。